ダ・ヴィンチ採用されました3

今月発売の「ダ・ヴィンチ」2010年1月号の「穂村弘の短歌ください」のコーナー「第21回薬の歌」にて短歌が1首採用されました。

薬より効くのを私知っているコップ一杯あなたの唾液

穂村さんのコメントは
「ラストの「唾液」が衝撃的。キスくらいじゃ効かないんですね。しかし、「コップ一杯」となると出すほうも大変だから、実際には殆ど誰もみたことのないものだろう。ドラッグよりも強烈なオーラに圧倒されました。
同じ作者の「年齢と同じ数だけ薬飲み今日も私は生かされている」もよかった。単に病んでいるって報告じゃなくて、一首の背後に例えば年の数だけ豆を食べるという節分の儀式が浮かんでくる。健やかであるための風習と現状とのアイロニカルな対比。」

祝3回目。トップバッターでしかも「同じ作者の～もよかった」発言までいただくことができました。ありがとうございます。今回は岡本さん、徳毛さん、はれやさん、イマイさん、むしたけさんなど、豪華メンバーとご一緒させていただけました。これまた嬉しい。

前者の短歌は、好きな人の唾液なら、薬より効くような気がするという私の普段からの妄想であり、それをコップ一杯分ださせるという、相手からの愛情も求めている短歌です。実際にはしないですよ。もちろん。

後者の「年齢と～」という短歌は実話です。精神安定剤と、栄養剤と、副作用止めとか色々出されて25錠。毎日めげながら飲んでます。飲まないと日常生活が送れないのです。節分みたいだなと皮肉に思っていた部分を短歌にしたら、穂村さんがちゃんと汲み取ってくださったんです。伝わってよかった。