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おがくずをここに捨てれば身綺麗になれるはずだと思ってました
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『笹の音を奏でる風』

笹の音を奏でる風に会いました ほんのりとただあたたかいです

悲しみの降りつもる朝 こんなにも愛することの痛みを知った

もの言えぬ恋と知りつつこの冬も私は詠うあなたに詠う

いつまでもあなたのメモがとけなくて手に入らないやさしいことば

あのひとは風 軽々と吹き抜けたはずなのになぜ苦しいのだろう

猫の毛で光を編んでいくように記憶のひとつひとつをたどる

脚本の3ページ目に「死」とあってはさまっている紫蘭のしおり

まだ誰も飲み込めないでいるのですモノクロームのあの冬の雪

集積である感情のしおさいを聞く 遠い日のうみねこが鳴く

「やさしさ」と書けばあなたが滲み出て来てしまうので真白いノート

あったかい入道雲に大の字で眠ってるだけ眠ってるだけ

図書館に歌集が増えてきましたねいつか私もそこに行きます

きれいごとならべておいてくれますか それがホントにかわるときまで

日常の底に息づくきらめきを笛を吹く手でやさしくほぐす

それぞれのラインの上を歩いてくつかの間に降る風をまとって

「最愛」と頭につけて書き綴る手紙にひそむ妖精の羽

誰からも嫌われてあれ 私などあなたの中にいないのだから

くちびるで触れていたはず やんわりとかたちのわかる程度の愛を

かさぶたを剥がし続ける恋でした(治ることなど望んではない)

つかまえて風のしっぽをつかまえて帰ってこない人だとしても

--------

この歌を、すべての歌を捧げます。届かぬ想いだと知っていて。

中森 つん
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プロフィール
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中森つん
性別:
女性
自己紹介:
穂村弘さんに影響を受け、2009年、短歌にベクトルをあわせ出発進行。雑誌やメディアでの掲載・採用情報、結社詠草の情報置き場。尊敬する歌人は笹井宏之さん。
結社「未来」の「彗星集」所属しておりました。申し訳ございませんが、歌意の説明は控えさせていただいております。
2011年12月活動休止。2013年4月活動再開。
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