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おがくずをここに捨てれば身綺麗になれるはずだと思ってました
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『海のアドリブ』

雨ざらしさせつつさます体温で月夜の海に流した手紙
照らされて青くまたたくさざなみへひたす魂まだあたたかい
低気圧変えた手法で泣きながら白鳥はただ水面に浮かぶ
青年はイルカの泳ぐ姿だけ描き続けて億万長者
絵にすぎず入水できぬ誘い水投身したくなる深緑
さびしさの色に染まった指先のパステルかおる午前四時まで
アトリエへ潮風そっとおしよせる画家はどこかに去ってしまって
窓枠の小さな四角乏しさはかもめ一羽も捕らえられずに
レモンより黄色いものが浮かんでる星のむこうにあるべき未来
どぶーん! とどまんなかへと落ちているみんなの浅い浅い絶望
港場の哀愁ゆえのぽつぽつとコンクリートに増える黒点
亡くなった人を想えば沈みゆく彼女の部屋へさしこむ灯り
夕方になると毎日思いだすあの夏の日のサイダーの味
レコードをまわしてひとり朝焼けの揺らぐこころを瞳に映す
おもむろに腹を開いてとりだして喜ぶ人を待つ真珠貝
どうしても日記に書けず飛び込んで貝殻拾う少年水夫
コウイカの硬い身体に守られて僕はあおあお喚き散らした
スイッチを入れれば酷い雑音を歌う波止場の蓄音機すら
海底の骨董屋にて流氷の軋むオペラを聴くアンモナイト
ため息は真白い風にさらわれるたまには群れたペンギンに会う
遠洋に旅立つためのかたまりのあつい背中に寝そべっている
対岸の夢を渡って流れ着き疲れたでしょうゴマフアザラシ
魚だと思っていたら真夜中に鳴く一匹の子猫の涙
ひとしずくしょっぱいものを飲みこんで海の起源を知ったウミウシ
始まりの予感抱いてわたあめは高く高くの宇宙へのぼる
いつのまにはやる心を捕まえて溶ける氷が涙に変わる
ときめきはプライスレスと気がついてぴかぴか光るホタルイカたち
ひんやりと冷たいイスに腰かけて八戸港で遊ぶウミネコ
明日もし君が壊れてしまってもさよならは言わないよ薄氷
止まらなくなって地球が水たまりそれでも生きているんだ今日も
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短歌研究新人賞投稿作品です。今年も駄目でした。
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『Not』

やわらかくふれられている肉塊は正しく言えば脂肪なんだよ

脱衣所の鏡へ映る柔肌の肢体よ何故に膨らみもせず

撫でるのは苦労しないよ凹凸と無関係にておろす両の手

句またがりエロスはそこにあるのかと全裸待機で迎える零時

Tシャツで過ごす一日鮮やかにわたしはただの人間であれ

少年よ大志を抱け少女等よ嘘偽りも抱かず生きろ

ふくらみを隠したくても隠せない無からは何も生まれはしない

擦れればそれのすべてが恋だろうあなたのシャツを裸体に羽織る

カップ付きタンクトップを脱ぎ捨てて青空の下空く缶ビール

砂時計落ちる速度で肌すべる汗は隙間を知らずに床へ

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ツイッターにて「ノーブラ短歌」というハッシュタグにつられ、
15分で10首の即詠をいたしました。
イコール貧乳短歌なのは、察してください。
三十の言葉足らずの綴りゆく詠のリズムで猫らは眠る

猫にまみれていたら、二十代が終わっていました。
暗中模索で気がつきゃ三十路。
そんなわけで、いっちょ楽しいことをやろうじゃないか、
と考えまして、ネットプリント祭り開催しました。

『垂々つん(2010年版)』
かつて神の句と呼ばれる川柳があった。
そこへ下のつんは申し出た。
「あなたと、合体したい…」
そんなやりとりがあったかどうだか、
全86首のコラボ短歌が出来上がり、
ネットで公開されました。
その懐かしき作品たちをこの度、折り本として作成。
再び皆様の目に触れることとなりました。
『垂々つん(2014年版)』
気がつけば、二人の縁は遠ざかり、
問いかけてみる、柴犬の眉。
「たらたらさん、帰ってこないのですか?」
「つんさん、お久しぶりです」
即答。つん歓喜。狂喜乱舞。心をとき(略
そうして再コラボが果たされた、
新たな30首を前作と同時公開。
成長しているのかいないのか、
それは皆様のご判断にまかせます。
『暗中模索で気がつきゃ三十路』『うわごと』
短歌15首と詩3篇。
等身大の中森つんをお届けしております。
短歌な人も詩な人も、
1枚で2粒美味しい作品集です。
なお、イラストも頑張ってみましたが、
頭はかまれ、手はひっかかれ、
案の定どうしようもない仕上がりです。
『中学性日記~君のおっぱいは世界一~』
「コンビニのネットプリントで出したら恥ずかしいタイトルは何か」
と募集して決まったものに対して短歌を30首詠んだら、
厨二病全開の変態ワールドになりました。
こんなゆるい短歌があってもいいじゃない。
開き直って一緒にまとめました。

これら4作品は「つんたん」として登録。
セブンイレブン
70805943
B4白黒4P80円


もうひとつ、猫馬鹿による猫自慢歌集
『にゃんず』
我が家のお猫様短歌と普通の猫短歌による22首。
愛のままにわがままに僕は君たちに傷つけられたい♪
とりあえずうちのこ可愛いです。はい。
セブンイレブン
14110680
A4カラー60円


その他コンビニはどちらも
TL3F6W3FE1

にて。
18日23時59分までとなっておりますので、
どうぞよろしくお願い申し上げます。
中森、ぱんつあげるってよ。

というわけで、文学フリマにて好評だったフリー折り本『ぱんつん』を、このたびネットプリントにて発行いたしました。中森つんがぱんつについて本気だして考えてみたら、意外とまじめな短歌エッセイになってしまいました。

セブンイレブン
【94852060】
A4/白黒/20円
23日23時59分まで

その他コンビニ
【TL3F6W3FE1】
A4/白黒/20円
24日13時まで
ネットワークプリント→画像プリント→引きのばしプリント→白黒→A4→画像プリント選択→『ぱんつん』をプリント


文学フリマにてすでにお持ちの方は、同一の内容ですのでご安心を。これからプリントされる方は、どうぞ羞恥プレイをお楽しみください。
親のない子へと与える一冊の詩篇がやがて夢となるなら

唄のない空へと流すレコードの針がやさしく丸くなるなら

空のない鳥へと渡すカンヴァスの青一面ではばたけるなら

青のない海へと注ぐ旅人の帰らぬ涙拭えるのなら

水のない木へと寄り添う心根の枯れた悲哀を賛美するなら

愛のない街へと溶ける微笑の数だけ誰か安らげるなら

数のない言葉へと吐くキツツキのうそぶく意味に気がつけたなら

嘘のない過去へと絡む暮れた陽のただただ朱い一等星なら

星のない闇へと叫ぶ三日月の欠けた部分がこの世界なら

闇のない命へと説く閃光の危うさゆえの自尊心なら

意味のない木偶へと巡る宝石のように艶めく食人種なら

艶のない少女へと咲くすずらんの双児の花弁揺らめいたなら

対のない愛へと残る「会いたい」のラブソングまだ覚えてるなら

恋のない猫へと贈るまたたびの良い酔い宵が覚めないのなら

飛ぶことを病めた私のわずかなる声があなたへ届くはずない
北風が部屋へ転げた朝方の鼓動の止まる気配静かに

ゆっくりと咀嚼をすれば飲みこめず死の訪れのデザートナイフ

凍傷の瞳の奥の涙たち産まれる前に水へお帰り

脆弱な論理がゆえにみな凪がれ穴ばかり開くわらばんしの帆

正面にかまえて哂うその顔を閉じ込めている漆黒の淵

はかなさのかけらもなくてさざ波は寄せては返すモノクロの浜

鬼灯で桃源郷を映しだす異質異彩のプロモーターは

塵ひとつ残さない意志ちりとりで灰のすべてをかき集めつつ

止まり木の代わりの器 乳白へおさめるもまた乳白の鳥

悲しみは乾いてやがて蒼くなり空へのぼるよ海へわたるよ

誰からも愛されたいと願うのは鎧ではなく稚拙な虚栄

ひらめきをアイデアにして息吹かせる作業速度は星の瞬き

散乱は広がるものの思考だと一ビットさえ拾いながらも

魂の主張まっすぐ導けば知識の海でクロールをする

すれすれの白線に立ち善悪と希望の矛の先を差し出す

観測者 梅チャーハンを頬張って胸に祈祷の異形の思い

不条理がお似合いすぎてブローチにすれば得体の動機は光り

獅子宿る視界捻れて現生を見さだめにやり笑む風雲児

小噺をひょいと作ればなるほどとと猫も頷く恵比寿の夜は

少年へ羽を与える手伝いは使者のふりして聞かせる神話

神様になる気はなくて青い鳥放してぴゅいと口笛を吹く

才能の産まれる場所へ流星が降るのはたぶん(いいや)奇跡だ

可能性 実験台のモルモット回す水車で照らす満月

天照岩戸開けると物好きがタイムラインでわく音楽隊

虹色のジュークボックス踊ろうかYMOの七線譜にて

触れること求めることに無我夢中なりすぎ影が這い寄る背中

鮮やかな未来嘆くも必然の末にあなたが去った窓枠

戸惑いも輝く過去に囚われて脳裏メモリは修復不能

それぞれの涙雨まだやまなくていついつまでも空が晴れない

歴史さえ変えたあなたが消えてゆく世界へ問えば十人十色

悔しさも泣くも後から訪れて攫われないで仮想の轍

無限にはなれないはずの愛情がエンドロールで流れ残像

コンテニューボタンを押して繰り返す些事な永久だと気がつける為

現実が融けてしまって崩れゆく空 受け止めて歩き出す今

有限を確かめるべくオリオンの向こうに夢を投げつけてみる

今日明日振り返らずに歩くべき姿を誰か見ていて誰か

挑戦は追えば追うほど気がつけば宇宙語になる道しるべの絵

裂傷を負いながらなお進むのは向かい風すらあたたかいせい

巡りあう何度でもまた巡りあう流星よりも願いは熱く

旅立ちの朝に贈ればフリージア忘れはしないジレンマと愛

透き通る季節の中で汽車に乗る痛みは少しやさしくなれる

雪の華かんこんきんとピアニカを奏で届けるあなたの手紙
飯野賢治追悼短歌集『風のリグレット』ネットプリント折り本を発行いたしました。

セブンイレブン
【予約番号:44991862】
(2月26日23時59分まで)

ローソン・サークルKサンクス・ファミリーマート
【ユーザー番号:TL3F6W3FE1】
(2月27日3時ごろまで)


A4/白黒/片面印刷/計1枚/20円

各コンビニのコピー機にて「ネットプリント」を選択後、
指示に従いプリントしてください。


2013年2月20日、ゲームクリエイター飯野賢治さんが亡くなりました(42歳)。この作品は当時、その悲しみを受け入れきれなくて吐き出した100首の連作を30首にしぼり、再構成したものです。一周忌に合わせて発表しました。セブンイレブン・ローソン他コンビニにてプリントして折りたたみ(折り方は調べてもらえると助かります)、ポケットに入れたり、手帳にはさんだりして、思い出したら読んでください。

誰かの記憶にある限り、人は死なない。

BGM「Komm, süsser Tod〜甘き死よ、来たれ」
差し出したミルキーひとつ頬張ってペコちゃんの顔数えて遊ぶ

目じりから顎へ流れる涙筋 女は今日も美しいのだ

気の抜けたコーラみたいな会話でも飽きないで居るための「友人」

まっすぐな線が書けない二人でもまあるい円でするおままごと

貴女へと切ない雨が降るのなら向かい合わせのてるてる坊主

丁寧なテンパリングをほどこして貴女の毒となろうかショコラ

指先の小さなラメが光るたびそれを恋だとしてときめいた

ただ赤を唇にひくその人の艶に重ねる罪はあざとい

私とは違う質感違う色ふんわりと舞う髪を舐めたい

うつむいた角度で蝶がとまるなら貴女は百合の花と佇む

熱愛でなくていいからその冷えた掌をただ温めさせて

どこへでも消えていけるよため息は丸い背中にただ寄り添って

淡々と記憶になってゆくものに名前をつけてフォルダに入れる

普通ってなんだろうなと悩むには相性がいいミスドのカフェオレ

ワセリンに埋まる小指が食べたくて唇をまた寒気へさらす

ブラジャーの選び方すらわからない白い乳房を両手でくるむ

セーラーの襟足へ吹くそよ風にジョナゴールドの香りをたどる

桃色の雫をそっとぬぐうよう真白い肌に寄せるくちびる

この恋をどこから愛と呼べるのか小指に塗った赤いマニキュア

カンヴァスの群青色に閉じ込めた白鳥の舞うリズムで息吹く

返却の本のページの真ん中に折りたたまれた愛の賛美を

まっさらであることでさえきらきらと貴女の内は輝くばかり

「恭ちゃんはボブがいいね」と内側にまあるく含む毛先を撫でる

女には女の涙 繋がりを持つのはそれが愛と信じて

可愛さと甘さで生きる少女らの誰もが生える保護色の羽

秘め事と呼ぶことにする月曜の女性専用電車の会話

恋という遊びになんて慣れているはないちもんめ貴女が欲しい

丹念に自我を隠した友人の結婚式のハガキが届く

ジャスミンの香りただよう記憶には子供のような約束ばかり

折りたたみ傘を二人で握ってるその間だけ恋人でしょう
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プロフィール
HN:
中森つん
性別:
女性
自己紹介:
穂村弘さんに影響を受け、2009年、短歌にベクトルをあわせ出発進行。雑誌やメディアでの掲載・採用情報、結社詠草の情報置き場。尊敬する歌人は笹井宏之さん。
結社「未来」の「彗星集」所属しておりました。申し訳ございませんが、歌意の説明は控えさせていただいております。
2011年12月活動休止。2013年4月活動再開。
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