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おがくずをここに捨てれば身綺麗になれるはずだと思ってました
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さよならを振り返る暇すらなくてさざんか落ちる訳も知らずに

愛情の受け方与え方 どこでそんなの習うことが出来たの?

憎まれる程度の深い情熱があったくらいが幸せだった

ふざけても笑ってくれる相手さえ居ない部屋では猫も鳴かない

通告の文書はいつも冷徹な明朝体を横たわらせて

契り合う想いは遠く薬指誰のものだかわからなくなる

自分では自分であると決めつけて鏡の前で誰かが笑んだ

正しさの中であなたが生きている世界は今日も嘘つきなまま

北風の強い日曜叩かれているのは頬か心なのかと

迷走を繰り返し繰り返しいまくるくる狂う胡桃がりりり

「悪いのはいつも女」と言われれば涙を枯らすのも女です

ハンガーにかかる間抜けな猫たちを撫でて今夜も頭が痛い

カフェインを気にするうちは生きていることを選んでいるのと同じ

まばたきの度に忘れてしまえれば不眠の朝もさわやかな空

安心を手にし失うものあればゆらゆら揺れるビニールテープ

白菜がまだ安かったあの冬に囲んだ鍋は美味しかったね

ドラえもん少し未来を見させてよそれから少し押し入れ貸して

震えてる あと半年も経てばほら中古品など大型のゴミ

哀しみを咀嚼している夕方のサザエさんまた月曜が来る

真っ暗なエンドロールが流れてるあなたがそこで息するように
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ツイッター上にて、青木健一さんが主催して行われている、
ひらがな短歌「わふわふわうわう」。
とっても楽しいので調子こいて詠んでいたら、
50首いったので、せっかくなのでまとめておきます。
最初は音とか気にしてきれいでやわらかいものを…
としていたのですが、そこは中森つん。
不倫失恋短歌になりました!←どうしてこうなった
とりあえず、まあ、楽しんでもらえたら嬉しいです。
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「ありがとう」あの字がにじんでかすれてるきみへ出せずにすてるはがきは

ふうわりとやさしくかぜはおりてきてぼくのとなりでころころわらう

わたしにも「たいせつだよ」とささやいてくれるひとなどいるのだろうか

すずむしのしずかにちろりなくこえにぼくらはそっとみみをすませる

かあさんのつくるおべんとぶらさげてあるくさかみちのぼるさかみち

むずかしいことばひとつもつかわずにただ「すきです」ときみはささやく

わたしとのこどものことをかんがえてすきとはいってくれないあなた

わたしにも「たいせつだよ」とささやいてくれるひとなどいるのだろうか

なきたくてなきたくてでもなけなくてたいふうがもうちかづいている

「もういちど」ってなんかいめ?やわらかくないそのうでにもどりたくない

おくさんとおこさんだけがだいじならわたしにきすをしたりしないで

きのうまであいをささやくくちびるをふさいでしまいたくなる、やめて。

ときめくかときめかないかてをつなぐときはいつでもしんじるこころ

とりかぶとでものんだかのようにまたむねがいたいよいたいよだれか

ただせめてあなたにきずをのこせたらよかったのにとせなかをなぞる

あさなんてこなくてもいいきっちりとしはつでんしゃにのりこみながら

やわらかなとげのぬきかたしらなくてあいたいだけがこだまするよる

ほんねだけかくすのうまくなっちゃってきすのあじとかにがくていいよ

やさしさのはんぶんだけをしんじてたあのころにもうもどれないんだ

あいことばきめてかくれてあうよるのときめきなんてわすれてしまえ

こんてにゅーきかないこともわかっててげーむおーばーしようよこんや

さよならをするほどなにかあったわけではないけれどてをふっている

しごとではきけないこえをきいているわたしのものにならないけれど

おくさんのはなしはここでしないでといわないままにといきをもらす

てのひらにひとをさんかいかいてみてやっぱりすきはいわないでおく

あらかじめよういしていたなみだとかぐしゃぐしゃだよねおわかれなんて

ぐるぐるとせんどのおちたさーもんがわたしみたいにまたつうかする

くるまったもうふにきみがいないことかみしめながらあんにゅいなごご

すうすうときいたことないおだやかなねいきをいまはわすれずにいる

ふんにゃりとわらったかおがすきだったこんなにいやなことばじゃなくて

あかちゃんをあやしているのとおなじこえそれでわたしのなまえをよんで

どんなにもおもいねがっていたとしてどようのごごのならないでんわ

すきだとかそんなことすらふれぬままたばこのにがいあじがひろがる

さびしさはあおいいろだとおもってたきられなかったぴんくのわんぴ

ふれてみたゆびからねつがひろがってわたしはたぶんこいだったのだ

かわらないふりをしているよこがおがいつもとちがうことをしってる

いいわけがうまくなってくおとこならわたしのほうがねがいさげだわ

たちまわりほしんばかりにまもられてあなたはほんとろくでもないね

やっかいにゆらゆらゆれるこいごころあまえたきすでうまくにげてる

ひとりだときがついたのはつなごうとのばしたこのてひえていたとき

いつかならいまでいいんだはなれゆくきみのせなかをみおくれるなら

はなびらのいろさえおもいだせなくてきせつはせぴあそれだけのこと

やさしさがとりえなだけのひだりてのなぞるちぶさはひえきったまま

かいぜんのよちがないほどこじれたらもうこいなんてうみにすてたい

きしんではたもたれているかんじょうがこぼれてしまうこぼれてしまう

はなびらのようにひらいたあいだっていつかちるならぶちりとちぎる

ありふれたさそいもんくにうなづいたあのひのわたしそのままきえろ

おたがいにきれいなままのおもいでがのこせていたらいえた「ありがと」

ぬばたまのまぶたのうらにやきついてなかせてくれぬあなたのえがお

すきだとかあいとかそんなかんじょうにふりまわされるわたしもすきだ
寝たフリに気がついているその肩へ頭を預け浸る優越

小指だけそっと伸ばして熱のあるこぶしに繋ぐ私の鼓動

壊れ物みたいに触れるてのひらが思ってたより大きかったの

目をそらすしぐさが増えてわずかに上がる恋の期待値

「カモミール」メニューも見ずに頼まれて私がひとつフォルダに入る

しかられているのにそんな真面目顔見られることがちょっと嬉しい

「妻」という話題で牽制されながら笑顔で構えるキャッチャーミット

「奥さんにどうぞ」と渡すマカロンはきっと甘くて甘くて苦い

情熱に愛されるより思いきり傷つけられてみたいから、ねえ。

言葉にはしない想いは膨らんで映画の話ばかりしている
「散る散る、満ちる」

ありきたりではあるけれどお花見に誘いましたがいかがでしょうか?

どうせなら夜桜くらい綺麗だとしらふのままで君に言いたい

芽吹いてはならぬ恋だとわかってて桜の散るを見届けるいま

君と見る桜が急に切なくて散り際ふいに奪う唇

またね、だけ約束しよう もう二度とあえないと知る桜並木で

淡色の花咲く頃に逢いましょう 頬も同じく染めあげながら

散る前に言いたかったよ サヨナラで始まる恋は舞うはなびらの

繋ぐ手を離さず歩く並木道抜けたらそこで最後のキスを

いつか散るそれだけでいい 恋なんて数多の時の想い出の中

桜ではなかったことを思い知る千切れてしまいそうな身体で

去年まで隣に君が居てふたり舞い散る花弁集めていたね

相棒のサイドミラーに張り付いたハートをひとつつまんで捨てる

(泣いている)目が覚めたとき思い出す君の誕生日であることを

誰よりも愛嬌のある人だからダイジョウブだよダイジョウブだよ

検索はしてはならない ひとりきり過ごした君の哀しみを見て

かすみ草だけの花束贈りつつ祈る笑顔のきらきらひかる

夏が来てうだる暑さを乗り越えて飲むブラックのアイスコーヒー

共犯で食したソフトクリームの溶ける速度で深まる愛の

風がまた少し冷たくなってきて紅葉の奥へ列車は走る

寒いねと繰り返すこと多くなりぐるぐる巻きの君のストール

指先が冷たいことに気がつかずごめん 両手は祈りのごとく

ふたりして鍋つつきあう土曜日の夜はあたたか(過去のお話)

主犯者はたぶん君だと決め付けて冬の終わりが怖くなってた

君は今日僕は明日を見つめつつ過ごした夜のカレーを想う

着信のピンクは君の専用のランプ メールが一通届く

「花粉症つらいね」とだけそっけなく映る画面に落ちた水滴

「そうだね」とだけそっけなく返すメールの向こうに君は

ああそうだ、思い出したよ今更になってこんなに好きだったこと

変わらずに微笑む君のその視界すべてに僕が映る春の日

何度でも蘇る花 祝福の桜咲いたら心が満ちる
『ロストバタフライ』

劣情の果てまでふたりたどり着く生き物として我が愛は散る

蠢いていたのでしょうか わずかなるあなたの寝息愛しい時に

恋人になれない帰路の急行で私はひとりきりじゃなかった

閉鎖的世界を好む偏屈なあなたのそばに居たかった冬

少しずつ優先順位下がりつつメールすらもう届くことなく

嬰児はベビーベッドをすりぬけていち早く星くずに紛れる

赤 朱 紅 侵食してくその色が奪っていった浚っていった

鈍行の傷みがふいにやってきて腹部の内で鳴らす警鐘

釣り針を子宮の中に置いてきて誰かがぐぐんぐぐんと手繰り

綺麗だと思った 黒いペーストがナプキンに横たわっていた

この部屋に君の痕跡すらなくて開け放たれた扉を閉じる

行く末を探して生きる術もなく遠退いた水平線の先

銀色のくじらを追って行きましょう正しく虹に辿り着くよう

やわらかな希望の布にくるまれて眠る命の叶わない夢

ゆりかごはひとつふたつと前後してぬくもり知らぬ母を想わす

花びらよ何故そんなにも急いてまで水面に揺れて沈んでいくの

あたたかい春を待てずに散っていくほんのり甘い何かの花弁

空っぽの腹部を丸くかかえこみ診察室に嗚咽が響く

涙まで枯れてしまった夕暮れのハーメルンの笛吹きは来たれ

赦してはくれなくていい 一生の一秒でさえ忘れぬ痛み

哀しみを分け合うことは出来なくて「申し訳なかった」の薄切り

朧気に撫でた乳房のぬくもりが剥がれて堕ちるひしひしひしと

父親であったことなどあなたには本の栞を無くした程度

惰性化の責任は平等にありあなたは何を背負いましたか?

さよならと嫌うことしか出来なくて(乗りたかった助手席がある)

後ろ背を幻想上のやさしさのてのひらさする孤独の夕餉

最悪をひとつ河原で積み上げて愛の記憶の罪は流れる

限りなく黒に近づく群青が交わり出会う空と海とが

泣き出してしまいそうだねあの雲は昨日漏らしたため息でしょう

正しくはひとつではなくかたわらと鬼ごっこするだけの旅立ち

ある限り愛し恋しと与えたろう突き刺す春の気まぐれな風

こぽこぽと点滴が音立てながら罪悪人の私を生かす

泥沼に眠りながらも遺された皮膜かき出す作業は終わる

覚めていく痛みがそこに鎮座して罰を忘れぬ為の現実

虹もまたかかる前には雨が降り枯らしたはずの涙も浮かぶ

点灯夫さえためらった街路灯今夜は少し悲しい橙

愛憎の向こうにあなた 苦渋すらひとつ残らず飲み込みたまえ

朝 永久に伸びては縮む幸福の庭で2人の絡まぬ指は

夜 終りなき感情の末路とは梅花散り散り春になりつつ

墓なくも儚く共にゆらゆらと舞い落ちる紋白蝶の羽
「生きること」選んでここでさようなら 歩き出したら振り返らない
『アスペルガー症候群』

この歌がきちんと開きますようにあなたの慈悲を喰らい尽くして

労働者-自殺者=経済の損失二兆七千万円

足下のボーダーライン 守るのは「健常教」の善男善女

通則はメロンソーダへぐぬぐぬと溶けるアイスの甘いでたらめ

「あくまでも社会福祉」と説き伏せる人の為とは言い得て妙で

正しさを振りかざすその手の内の矯正器具は錆に巣食われ

かまきりの眼がそこらじゅう、そこらじゅうから二十四時間監視する

透明な色と引力 こんなにも黒い狂気を解きほぐす午後

世の中は平気な顔を飽和させ仲間入りした五大疾病

まろやかな罵詈雑言の打ち寄せたあとの(きれいなだけの)砂浜

生きていてすみません死んでいなくてすみません人間ですみません

きらきらと光る俗世の隅に住む純然たる屑ものらしく

自殺にもルールがあって賃貸の部屋での硫化水素は禁止

「可愛い気」は高等技術 さじ加減ミリグラムでもまぜるな危険

狡猾な寄生木にすらなりきれずただ幾重にも絡まり続け

(幸せを感じたら押す)空白の障がい者用スタンプラリー

ひだまりの匂いはときに残酷でささやかな飴色のやさしさ

符牒など持たずふうわり軽やかに回廊を駆けおりるそよ風

有意義な租借ではなくゆっくりと自分自身を磨耗させゆく

花ひらく肉のつぼみをもみつぶし生も死もまだ赦されている


中森 つん
「For You」

サヨナラと告げられた夜 君の手がとても冷たい、冷たいんだよ。

向かい合う夫婦茶碗があたたかいご飯をのせて時間は過ぎる

モノクロがぺたり背中に張りついて浮かび上がった「GAME OVER」

喉の奥底のあたりにしのばせた愛の言葉も涙も飲もう

責任は平等にかつ不条理に思春期ですら終えたのだから

フローズンベリー占い「明日からロンリーガールのち涙雨」

心臓は打楽器 どどんどどどんと悲しみが一斉に打たれる

どちらかのものではなくて共有のマグカップ「ねえ、お茶にしようか」

遠回りばかりしていた散歩道 影はひたすら伸びて日暮れて

いたずらな雲にふたりは追い越され雨宿りするセブンイレブン

(すこしってどれくらい?)問いかけられず夕陽はすぐに沈んでしまう

橙のあかりが灯りやんわりと右と左を指したY字路

(かつ、かつん)僕らがキスをするときの音(かつ、かつん)(眼鏡はずさない?)

はがゆさを胸に落としたバス停であと十二分そばに居られる

病室に持ち込めないとわかってて握り締めてる電話番号

面会の時間のメモを渡す(受け取る)手が少しだけ震えてる

なによりも深く刻んだ「ありがとう」伝えたかった包みたかった

後悔のリフレイン ただ寄せ返す波みたいには戻れない、もう。

真っ白な君を汚した罪でさえ忘れられない 季節が変わる

ポケットは定員二名いつもより寒さが増した冬の始まり

とめどなく雨 巻貝のラブソングコーナーに添える右耳

日曜の午後がこんなに切なくて寂しいのだと知った(いまさら)

東京の狭い夜空で探してもどこにも居ないどこにも居ない

守られている ぺらぺらの味気ない紙一枚がここにあること

「会いたい」が共鳴してる朝焼けのたましい いつか夢の続きへ

馬鹿みたくひたすらずっと信じてるどこかできっと繋がってると

ほつれてる、ボタンをひとつかけ違えてる。くらいしかずれてない(つもり)

終わりなき虹のしっぽを見に行こう約束はまだぴくりともせず

過去形で語りたくない それからの未来を共に過ごす決意を

ちょっとだけ勇気ください やさしさの全部を君へ届けるために

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本日は旦那さんの誕生日です。
中森つんとして最初で最後の、
旦那さんのためだけの連作です。
Happy Birth Day For You!
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プロフィール
HN:
中森つん
性別:
女性
自己紹介:
穂村弘さんに影響を受け、2009年、短歌にベクトルをあわせ出発進行。雑誌やメディアでの掲載・採用情報、結社詠草の情報置き場。尊敬する歌人は笹井宏之さん。
結社「未来」の「彗星集」所属しておりました。申し訳ございませんが、歌意の説明は控えさせていただいております。
2011年12月活動休止。2013年4月活動再開。
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