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おがくずをここに捨てれば身綺麗になれるはずだと思ってました
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残暑見舞い申し上げます。中森つんです。

いやはや、随分と放置していてすみません…。
4月から障がい者雇用で働かせていただいているのですが、
うっかりしっかり向いていたらしく、
上司から「働きすぎ」と怒られるほど仕事していました。
まあ、6・7月あたりは案の定体調崩してしまい、
出社すらままならなかったのですが。

あとは、治療方針的に徐々に薬を減らしていっております。
今年始めに比べて、3分の1ぐらいまでになりました。
このまま順調にいけば、年内にはピルだけでよくなるかも。
無理はしないよう、マイペースで治療に取り組んでいます。

短歌の方ですが、公開していないだけで、
一応ちょこちょことは詠んでおりますが、
ツイッターで流す程度のものだったり、
どこの賞に応募するのか悩んでいたりします。

私は他の歌人さんとは違い、
目立った賞や最終候補などにもあがったことがなく、
また、積極的に短歌を広めるような活動もしておらず、
最近はまったくもって地味な状態なので、
出版のお話が来ても結局は断る形になっています。
もう、2、3年前の「中森つん」ではないのです。
肩書きのないそこらの素人です。
こんな人間の歌集など誰も欲しがりませんからね。
新人賞とるとか話題になるとか、
その程度のことがない限りまだまだ出版には至りません。

そんなわけで、今年はちゃんと色んな新人賞にチャレンジしていますが、
結果は返ってきませんねー。
歌壇ともうひとつ気になっている賞に応募するのが、
目先の目標であります。

といいつつ、仕事のほうが忙しくて、
短歌と向き合う時間が取れない毎日。
難しいなぁ…。

そんな近況でした。
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「散る散る、満ちる」

ありきたりではあるけれどお花見に誘いましたがいかがでしょうか?

どうせなら夜桜くらい綺麗だとしらふのままで君に言いたい

芽吹いてはならぬ恋だとわかってて桜の散るを見届けるいま

君と見る桜が急に切なくて散り際ふいに奪う唇

またね、だけ約束しよう もう二度とあえないと知る桜並木で

淡色の花咲く頃に逢いましょう 頬も同じく染めあげながら

散る前に言いたかったよ サヨナラで始まる恋は舞うはなびらの

繋ぐ手を離さず歩く並木道抜けたらそこで最後のキスを

いつか散るそれだけでいい 恋なんて数多の時の想い出の中

桜ではなかったことを思い知る千切れてしまいそうな身体で

去年まで隣に君が居てふたり舞い散る花弁集めていたね

相棒のサイドミラーに張り付いたハートをひとつつまんで捨てる

(泣いている)目が覚めたとき思い出す君の誕生日であることを

誰よりも愛嬌のある人だからダイジョウブだよダイジョウブだよ

検索はしてはならない ひとりきり過ごした君の哀しみを見て

かすみ草だけの花束贈りつつ祈る笑顔のきらきらひかる

夏が来てうだる暑さを乗り越えて飲むブラックのアイスコーヒー

共犯で食したソフトクリームの溶ける速度で深まる愛の

風がまた少し冷たくなってきて紅葉の奥へ列車は走る

寒いねと繰り返すこと多くなりぐるぐる巻きの君のストール

指先が冷たいことに気がつかずごめん 両手は祈りのごとく

ふたりして鍋つつきあう土曜日の夜はあたたか(過去のお話)

主犯者はたぶん君だと決め付けて冬の終わりが怖くなってた

君は今日僕は明日を見つめつつ過ごした夜のカレーを想う

着信のピンクは君の専用のランプ メールが一通届く

「花粉症つらいね」とだけそっけなく映る画面に落ちた水滴

「そうだね」とだけそっけなく返すメールの向こうに君は

ああそうだ、思い出したよ今更になってこんなに好きだったこと

変わらずに微笑む君のその視界すべてに僕が映る春の日

何度でも蘇る花 祝福の桜咲いたら心が満ちる
『ロストバタフライ』

劣情の果てまでふたりたどり着く生き物として我が愛は散る

蠢いていたのでしょうか わずかなるあなたの寝息愛しい時に

恋人になれない帰路の急行で私はひとりきりじゃなかった

閉鎖的世界を好む偏屈なあなたのそばに居たかった冬

少しずつ優先順位下がりつつメールすらもう届くことなく

嬰児はベビーベッドをすりぬけていち早く星くずに紛れる

赤 朱 紅 侵食してくその色が奪っていった浚っていった

鈍行の傷みがふいにやってきて腹部の内で鳴らす警鐘

釣り針を子宮の中に置いてきて誰かがぐぐんぐぐんと手繰り

綺麗だと思った 黒いペーストがナプキンに横たわっていた

この部屋に君の痕跡すらなくて開け放たれた扉を閉じる

行く末を探して生きる術もなく遠退いた水平線の先

銀色のくじらを追って行きましょう正しく虹に辿り着くよう

やわらかな希望の布にくるまれて眠る命の叶わない夢

ゆりかごはひとつふたつと前後してぬくもり知らぬ母を想わす

花びらよ何故そんなにも急いてまで水面に揺れて沈んでいくの

あたたかい春を待てずに散っていくほんのり甘い何かの花弁

空っぽの腹部を丸くかかえこみ診察室に嗚咽が響く

涙まで枯れてしまった夕暮れのハーメルンの笛吹きは来たれ

赦してはくれなくていい 一生の一秒でさえ忘れぬ痛み

哀しみを分け合うことは出来なくて「申し訳なかった」の薄切り

朧気に撫でた乳房のぬくもりが剥がれて堕ちるひしひしひしと

父親であったことなどあなたには本の栞を無くした程度

惰性化の責任は平等にありあなたは何を背負いましたか?

さよならと嫌うことしか出来なくて(乗りたかった助手席がある)

後ろ背を幻想上のやさしさのてのひらさする孤独の夕餉

最悪をひとつ河原で積み上げて愛の記憶の罪は流れる

限りなく黒に近づく群青が交わり出会う空と海とが

泣き出してしまいそうだねあの雲は昨日漏らしたため息でしょう

正しくはひとつではなくかたわらと鬼ごっこするだけの旅立ち

ある限り愛し恋しと与えたろう突き刺す春の気まぐれな風

こぽこぽと点滴が音立てながら罪悪人の私を生かす

泥沼に眠りながらも遺された皮膜かき出す作業は終わる

覚めていく痛みがそこに鎮座して罰を忘れぬ為の現実

虹もまたかかる前には雨が降り枯らしたはずの涙も浮かぶ

点灯夫さえためらった街路灯今夜は少し悲しい橙

愛憎の向こうにあなた 苦渋すらひとつ残らず飲み込みたまえ

朝 永久に伸びては縮む幸福の庭で2人の絡まぬ指は

夜 終りなき感情の末路とは梅花散り散り春になりつつ

墓なくも儚く共にゆらゆらと舞い落ちる紋白蝶の羽
皆様お久しぶりです。中森つんです。

一昨年十二月に活動終了宣言をしてから、まる一年以上が経ちました。その間、治療と芸能活動に身を置きながらも、私生活では失踪騒ぎを起こしたり、離婚という大きな節目を迎えたりいたしました。

長いようで短かった一年を過ごして、私の中で短歌という存在が変わりつつある頃、ひとつの悲報が入りました。尊敬する飯野賢治さんの死去。ゲームクリエーターとしての名作の創り手としてではなく、いま、あなたが何気なく利用している何らかのツールやアイデアの中に、彼の息吹は遺されており、誰もが実は彼の作品に触れたことがあるだろうと思います。

受け入れきれない悲しみを消化すべく、私は短歌を詠みました。百首にはなるその作品を目の前にして、私はやはり、悲哀の中でしか生きられないことを確信しました。

一年かけて専念した精神疾患は、まったく治っておりません。逆に、離婚を期に実家へ戻ったことによるストレスで、余計に捻れていくのが笑えてきます。

中森つんは悲劇の中で繰り返される、馬鹿げたワルツを躍りに帰ってきました。以前のように投稿などはあまりいたしませんが、ひとつの目標の為に頑張ります。トークライブのサイン会にて、飯野さんが言ってくださった「本出せ!」という言葉。私はそれを実現させるべく、戻ってくることを決意したのです。本を出せたら帯を書いてもらう約束は果たせませんが、私に出来る弔いです。

勘違いしないでいただきたいのが、病気が治ったから復帰したわけではないということです。精神状態は未だにチューニングがぶち壊れたままで、病院もより適切な治療が受けられるところに転院いたしました。入院しないだけマシです。なので、中森つんの黒光りする短歌は変わっていません。皮肉なものですね。

そういうわけで、誠に勝手ながら、中森つん復帰いたします。エイプリルフールに復帰第一作を発表するつもりなので、よろしくお願いいたします。

中森つん
現在、中森つんは何をしているのか。
それを別のブログでまとめました。
どうぞご覧くださいませ。

『Mai.nブログ』
「短歌の人へ。」
http://ameblo.jp/nkm-nyanko/entry-11204313548.html
「生きること」選んでここでさようなら 歩き出したら振り返らない
『アスペルガー症候群』

この歌がきちんと開きますようにあなたの慈悲を喰らい尽くして

労働者-自殺者=経済の損失二兆七千万円

足下のボーダーライン 守るのは「健常教」の善男善女

通則はメロンソーダへぐぬぐぬと溶けるアイスの甘いでたらめ

「あくまでも社会福祉」と説き伏せる人の為とは言い得て妙で

正しさを振りかざすその手の内の矯正器具は錆に巣食われ

かまきりの眼がそこらじゅう、そこらじゅうから二十四時間監視する

透明な色と引力 こんなにも黒い狂気を解きほぐす午後

世の中は平気な顔を飽和させ仲間入りした五大疾病

まろやかな罵詈雑言の打ち寄せたあとの(きれいなだけの)砂浜

生きていてすみません死んでいなくてすみません人間ですみません

きらきらと光る俗世の隅に住む純然たる屑ものらしく

自殺にもルールがあって賃貸の部屋での硫化水素は禁止

「可愛い気」は高等技術 さじ加減ミリグラムでもまぜるな危険

狡猾な寄生木にすらなりきれずただ幾重にも絡まり続け

(幸せを感じたら押す)空白の障がい者用スタンプラリー

ひだまりの匂いはときに残酷でささやかな飴色のやさしさ

符牒など持たずふうわり軽やかに回廊を駆けおりるそよ風

有意義な租借ではなくゆっくりと自分自身を磨耗させゆく

花ひらく肉のつぼみをもみつぶし生も死もまだ赦されている


中森 つん
「For You」

サヨナラと告げられた夜 君の手がとても冷たい、冷たいんだよ。

向かい合う夫婦茶碗があたたかいご飯をのせて時間は過ぎる

モノクロがぺたり背中に張りついて浮かび上がった「GAME OVER」

喉の奥底のあたりにしのばせた愛の言葉も涙も飲もう

責任は平等にかつ不条理に思春期ですら終えたのだから

フローズンベリー占い「明日からロンリーガールのち涙雨」

心臓は打楽器 どどんどどどんと悲しみが一斉に打たれる

どちらかのものではなくて共有のマグカップ「ねえ、お茶にしようか」

遠回りばかりしていた散歩道 影はひたすら伸びて日暮れて

いたずらな雲にふたりは追い越され雨宿りするセブンイレブン

(すこしってどれくらい?)問いかけられず夕陽はすぐに沈んでしまう

橙のあかりが灯りやんわりと右と左を指したY字路

(かつ、かつん)僕らがキスをするときの音(かつ、かつん)(眼鏡はずさない?)

はがゆさを胸に落としたバス停であと十二分そばに居られる

病室に持ち込めないとわかってて握り締めてる電話番号

面会の時間のメモを渡す(受け取る)手が少しだけ震えてる

なによりも深く刻んだ「ありがとう」伝えたかった包みたかった

後悔のリフレイン ただ寄せ返す波みたいには戻れない、もう。

真っ白な君を汚した罪でさえ忘れられない 季節が変わる

ポケットは定員二名いつもより寒さが増した冬の始まり

とめどなく雨 巻貝のラブソングコーナーに添える右耳

日曜の午後がこんなに切なくて寂しいのだと知った(いまさら)

東京の狭い夜空で探してもどこにも居ないどこにも居ない

守られている ぺらぺらの味気ない紙一枚がここにあること

「会いたい」が共鳴してる朝焼けのたましい いつか夢の続きへ

馬鹿みたくひたすらずっと信じてるどこかできっと繋がってると

ほつれてる、ボタンをひとつかけ違えてる。くらいしかずれてない(つもり)

終わりなき虹のしっぽを見に行こう約束はまだぴくりともせず

過去形で語りたくない それからの未来を共に過ごす決意を

ちょっとだけ勇気ください やさしさの全部を君へ届けるために

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本日は旦那さんの誕生日です。
中森つんとして最初で最後の、
旦那さんのためだけの連作です。
Happy Birth Day For You!
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プロフィール
HN:
中森つん
性別:
女性
自己紹介:
穂村弘さんに影響を受け、2009年、短歌にベクトルをあわせ出発進行。雑誌やメディアでの掲載・採用情報、結社詠草の情報置き場。尊敬する歌人は笹井宏之さん。
結社「未来」の「彗星集」所属しておりました。申し訳ございませんが、歌意の説明は控えさせていただいております。
2011年12月活動休止。2013年4月活動再開。
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