おがくずをここに捨てれば身綺麗になれるはずだと思ってました
『三十六度の処方箋』
病んでいく真っ黒になり朽ちていくそれがすべてのはじまりでした
「死」を印字して滲んでる封筒は残さずここへ届けてください
太陽はズレた二つの十字架で出来てることを知っていますか?
草も木も踏みならされた獣道そこを進んで楽しいですか?
ちゅんちゅんとスズメは鳴いて、わんわんと犬は吠えたて、わたしは無言。
物言わぬ夜は重いと嘯いた上唇と下唇が
黒い毛の盲導犬に会いました あなたのようでとても愛しい
手の甲にキスをしたまま夜が明け朝になれたら幸せですね
すうすうと呼吸している(生きている)規則正しくリズムを刻む
「正常」をどうかわたしに「健常」をどうかわたしに どうかわたしに
変身が出来るものだと思ってた眼鏡かけたり外したりして
苦しみが次から次へ押し寄せる座席は全て埋まってるのに
ひとりきり喜怒哀楽を「トン」「ツー」と叩きモールス信号送る
片ヒレの紅い金魚は水面に右半身を出したまま死ぬ
のこぎりやチェーンソーでも切れないの小指の赤いあなたとの糸
生きること素晴らしいこと 人はみなそう言ってます スバラシイです
真っ白なおにぎり巻いた真っ黒な大きな海苔で(ざまあみろって)
毎日が最後の日です 歯磨きもお風呂掃除もこれでピリオド
菜の花の中で手紙を書きましょう(鼻腔の奥で再会できる)
笹井さん、人の価値まで歪んでるこの世の中を愛せましたか?
----------
本日8月1日は笹井宏之さんの誕生日ということで、勝手ながら追悼短歌を詠ませていただきますた。今月の結社詠草は欠詠してしまいました。かわりというわけではありませんが、こちらの短歌をお楽しみください。
中森つん
病んでいく真っ黒になり朽ちていくそれがすべてのはじまりでした
「死」を印字して滲んでる封筒は残さずここへ届けてください
太陽はズレた二つの十字架で出来てることを知っていますか?
草も木も踏みならされた獣道そこを進んで楽しいですか?
ちゅんちゅんとスズメは鳴いて、わんわんと犬は吠えたて、わたしは無言。
物言わぬ夜は重いと嘯いた上唇と下唇が
黒い毛の盲導犬に会いました あなたのようでとても愛しい
手の甲にキスをしたまま夜が明け朝になれたら幸せですね
すうすうと呼吸している(生きている)規則正しくリズムを刻む
「正常」をどうかわたしに「健常」をどうかわたしに どうかわたしに
変身が出来るものだと思ってた眼鏡かけたり外したりして
苦しみが次から次へ押し寄せる座席は全て埋まってるのに
ひとりきり喜怒哀楽を「トン」「ツー」と叩きモールス信号送る
片ヒレの紅い金魚は水面に右半身を出したまま死ぬ
のこぎりやチェーンソーでも切れないの小指の赤いあなたとの糸
生きること素晴らしいこと 人はみなそう言ってます スバラシイです
真っ白なおにぎり巻いた真っ黒な大きな海苔で(ざまあみろって)
毎日が最後の日です 歯磨きもお風呂掃除もこれでピリオド
菜の花の中で手紙を書きましょう(鼻腔の奥で再会できる)
笹井さん、人の価値まで歪んでるこの世の中を愛せましたか?
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本日8月1日は笹井宏之さんの誕生日ということで、勝手ながら追悼短歌を詠ませていただきますた。今月の結社詠草は欠詠してしまいました。かわりというわけではありませんが、こちらの短歌をお楽しみください。
中森つん
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真夜中のセンチメンタルサーカスに忍び込んでは交わす約束
ため息の風船ぷかり沈まずに地面すれすれ浮かぶよぷかり
心臓をひと突きにするまなざしのナイフ投げられ息が苦しい
火の輪より怖い 誰かの所有物として輝く結婚指輪
恋人と妻と仕事をジャグリングこなして生きる君という人
命綱無くしたことで手に入れるスリルは恋のバランスの上
(転がしているのはどっち?)飴玉を口に含んで絡めあう舌
愛のある鞭だとしても着信のランプはここで警告の赤
繋がれずひえきった手が(届かない)ちゅうぶらりんにされる土曜日
閉幕のベルは鳴らない 道化師のままでふたりは朝を迎える
--------
以前、ツイッター上で
「この短歌が3RTされたら連作作る」と宣言し、実現したものです。
完全新作でブログのみにアップというのが久しぶりなので、
どういう反応があるか楽しみです。
今月投稿した結社の詠草に同じテーマとタイトルを使いました。
「サーカス」というのは楽しいけれど現実離れしていて、
戻ってこられないような恐ろしさがあると思います。
悲恋短歌にするつもりが、不倫短歌になりました。
これもひとつの悲しい恋ということで、
楽しんでいただけたら幸いです。
ため息の風船ぷかり沈まずに地面すれすれ浮かぶよぷかり
心臓をひと突きにするまなざしのナイフ投げられ息が苦しい
火の輪より怖い 誰かの所有物として輝く結婚指輪
恋人と妻と仕事をジャグリングこなして生きる君という人
命綱無くしたことで手に入れるスリルは恋のバランスの上
(転がしているのはどっち?)飴玉を口に含んで絡めあう舌
愛のある鞭だとしても着信のランプはここで警告の赤
繋がれずひえきった手が(届かない)ちゅうぶらりんにされる土曜日
閉幕のベルは鳴らない 道化師のままでふたりは朝を迎える
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以前、ツイッター上で
「この短歌が3RTされたら連作作る」と宣言し、実現したものです。
完全新作でブログのみにアップというのが久しぶりなので、
どういう反応があるか楽しみです。
今月投稿した結社の詠草に同じテーマとタイトルを使いました。
「サーカス」というのは楽しいけれど現実離れしていて、
戻ってこられないような恐ろしさがあると思います。
悲恋短歌にするつもりが、不倫短歌になりました。
これもひとつの悲しい恋ということで、
楽しんでいただけたら幸いです。
『オベリスク』
祈りでも願いでもなくこの声は伝染すべきほほえみの糧
テイクオフ ここは嘆きの空なのだ君の心とドッグファイトを
街並みも絆も愛もめちゃくちゃでそれでも今日も星は瞬く
その胸の施錠をちょっと解除してひとりぼっちへ届けときめき
見えそうで見えない未来だからこそ愛の軌跡をここに描くよ
誰かから複製された理由など捨てて自分の刹那を生きる
ラララララ泣いていないで夢を見る力はずっと上昇気流
もう夜を振り返らないびしょぬれの翼のためのあたたかな歌
<「未来」No.714 2011年7月号>
祈りでも願いでもなくこの声は伝染すべきほほえみの糧
テイクオフ ここは嘆きの空なのだ君の心とドッグファイトを
街並みも絆も愛もめちゃくちゃでそれでも今日も星は瞬く
その胸の施錠をちょっと解除してひとりぼっちへ届けときめき
見えそうで見えない未来だからこそ愛の軌跡をここに描くよ
誰かから複製された理由など捨てて自分の刹那を生きる
ラララララ泣いていないで夢を見る力はずっと上昇気流
もう夜を振り返らないびしょぬれの翼のためのあたたかな歌
<「未来」No.714 2011年7月号>
立つ鳥は跡を濁さず 歌々はみんな私が連れていくから
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6月28日付で「うたのわ」を退会いたしました。
3月11日の震災を境に、短歌を詠むことが難しくなり、
各所の投稿を休止している状態にあります。
現在はなんとか結社の詠草だけ送っています。
投稿の休止は、以前から決めていました。
私は短歌を始めたときから、
自分の歌人としての活動は「3年計画」と考えています。
情熱と勢いの1年目。
勉強と我慢の2年目。
跳躍と結果の3年目。
今年はその3年目です。
上半期中には各投稿を止めることを考えていたので、
震災は早めに訪れたキッカケにすぎません。
結社詠草は年会費を払っている以上、
きちんと最後の月まで自分の作品を載せるつもりです。
つまり私は、投稿歌人でも結社歌人でもありません。
私が短歌を詠むにあたり、
払ってきた代償は計り知れないものです。
普通の人が普通のことを普通にして普通に生きていくことは、
私には願うことも許されないものです。
私はそういう病気を抱えています。
少しでも人間らしい生活をするためには、
すべての時間をかけて治療に取り組まなければなりません。
才能は、私から「人間」を食い尽くして成り立つものです。
皆さんが認める「中森つん」という歌人は、
人間であることを捨てて存在を保っていました。
それは「生きる」ことを選んだ私や、
家族、友人、知り合いを悲しみや苦しみに絡めてきました。
今年の各新人賞で結果が出なければ、
「中森つん」という歌人はいなくなります。
ひとりの人間として生きていくために、
精神疾患の治療に専念しようと決めています。
「もったいない」
そうおっしゃってくださる方が多くいるのは、
とてもありがたいことです。
何が正しくて、何が間違っているのか、私にもわかりません。
キチガイのまま歌人として認められることがいいのか、
普通を振舞って生きていくことがいいのか。
どの道を選んでも自分が苦しいことには変わりありません。
短歌を止めることも、普通に生きることも、
どちらも私の本望ではありません。
この世界は私が私のままで生きるには苦痛が多すぎるのです。
何かを犠牲にしなければ、何も出来ません。
ものすごく端的でおこがましいことですが、
新人賞がとれたら歌集を出せるきっかけになると思うので、
「中森つん」は復活します。
私は歌集が出したいのです。
笹井宏之さんの歌集の隣に並べて、うっとりしたいです。
なので、もしもまだ「中森つん」の短歌を読みたいと思う方は、
新人賞がとれることを祈っていてください。
言っていることがめちゃくちゃになっていますが、
以上が私の気持ちです。
どうか理解いただければと思います。
平成23年6月29日 中森つん
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6月28日付で「うたのわ」を退会いたしました。
3月11日の震災を境に、短歌を詠むことが難しくなり、
各所の投稿を休止している状態にあります。
現在はなんとか結社の詠草だけ送っています。
投稿の休止は、以前から決めていました。
私は短歌を始めたときから、
自分の歌人としての活動は「3年計画」と考えています。
情熱と勢いの1年目。
勉強と我慢の2年目。
跳躍と結果の3年目。
今年はその3年目です。
上半期中には各投稿を止めることを考えていたので、
震災は早めに訪れたキッカケにすぎません。
結社詠草は年会費を払っている以上、
きちんと最後の月まで自分の作品を載せるつもりです。
つまり私は、投稿歌人でも結社歌人でもありません。
私が短歌を詠むにあたり、
払ってきた代償は計り知れないものです。
普通の人が普通のことを普通にして普通に生きていくことは、
私には願うことも許されないものです。
私はそういう病気を抱えています。
少しでも人間らしい生活をするためには、
すべての時間をかけて治療に取り組まなければなりません。
才能は、私から「人間」を食い尽くして成り立つものです。
皆さんが認める「中森つん」という歌人は、
人間であることを捨てて存在を保っていました。
それは「生きる」ことを選んだ私や、
家族、友人、知り合いを悲しみや苦しみに絡めてきました。
今年の各新人賞で結果が出なければ、
「中森つん」という歌人はいなくなります。
ひとりの人間として生きていくために、
精神疾患の治療に専念しようと決めています。
「もったいない」
そうおっしゃってくださる方が多くいるのは、
とてもありがたいことです。
何が正しくて、何が間違っているのか、私にもわかりません。
キチガイのまま歌人として認められることがいいのか、
普通を振舞って生きていくことがいいのか。
どの道を選んでも自分が苦しいことには変わりありません。
短歌を止めることも、普通に生きることも、
どちらも私の本望ではありません。
この世界は私が私のままで生きるには苦痛が多すぎるのです。
何かを犠牲にしなければ、何も出来ません。
ものすごく端的でおこがましいことですが、
新人賞がとれたら歌集を出せるきっかけになると思うので、
「中森つん」は復活します。
私は歌集が出したいのです。
笹井宏之さんの歌集の隣に並べて、うっとりしたいです。
なので、もしもまだ「中森つん」の短歌を読みたいと思う方は、
新人賞がとれることを祈っていてください。
言っていることがめちゃくちゃになっていますが、
以上が私の気持ちです。
どうか理解いただければと思います。
平成23年6月29日 中森つん
『コスモス』
燦然と置かれた金の冠はさしずめ貴方の安心毛布
狭間にて優雅な午後のひとときを味わううちにステルスメイト
「ティータイム」書き残されて皿の絵の妖精たちは祈りを捧ぐ
奇跡など信じていない(濃紺の六等星の輝き程度)
絶望の牢獄の壁一面に描くシルバーラメの星雲
さなぎから羽化した後に残される器へそっと紅茶を注ぐ
はばたけばどこかの森で蝶が舞い度の終わりに近づいていく
<「未来」No.713 2011年6月号>
燦然と置かれた金の冠はさしずめ貴方の安心毛布
狭間にて優雅な午後のひとときを味わううちにステルスメイト
「ティータイム」書き残されて皿の絵の妖精たちは祈りを捧ぐ
奇跡など信じていない(濃紺の六等星の輝き程度)
絶望の牢獄の壁一面に描くシルバーラメの星雲
さなぎから羽化した後に残される器へそっと紅茶を注ぐ
はばたけばどこかの森で蝶が舞い度の終わりに近づいていく
<「未来」No.713 2011年6月号>
『病床メモリ』
ひんやりと廻り続ける右腕の黄金の色の導入麻酔
正確な針が佇む 溶融の速度はとうに超えているのに
まなざしのすべてが狂い低酸素水槽内の静かな呼吸
真っ白に溶かされ眠る子供たち奪い取られた至純な思考
融合の反応はなくただ個々の人間として寄り添う二人
液化した台詞の端で夢を見る記憶回路に産むアイコトバ
少しずつ風は消えてく もう揺れることのない淡色のカーテン
死の匂う最終章に身をゆだね昼明かりさす窓辺にくゆる
一日を徐行しながら沈み逝くオイルの切れた蒼い夕暮れ
<「未来」No.712 2011年5月号>
ひんやりと廻り続ける右腕の黄金の色の導入麻酔
正確な針が佇む 溶融の速度はとうに超えているのに
まなざしのすべてが狂い低酸素水槽内の静かな呼吸
真っ白に溶かされ眠る子供たち奪い取られた至純な思考
融合の反応はなくただ個々の人間として寄り添う二人
液化した台詞の端で夢を見る記憶回路に産むアイコトバ
少しずつ風は消えてく もう揺れることのない淡色のカーテン
死の匂う最終章に身をゆだね昼明かりさす窓辺にくゆる
一日を徐行しながら沈み逝くオイルの切れた蒼い夕暮れ
<「未来」No.712 2011年5月号>
田中ましろさんの純粋なる短歌愛が詰まっている「うたらば」のブログパーツが更新されました。テーマは「力」+自由詠。応募総数88首ものなかから拾っていただけました。
乱雑な力加減で撫でられてくしゃくしゃになる髪型が好き
最近、短歌の投稿をぱったりとやめていたのですが、応募数が少ないというお話を聞き、応援するつもりで送らせていただきました。しばらくまた投稿はしないつもりなので、これが最後の採用情報になるかもしれません。
うたらば
http://www.utalover.com/
乱雑な力加減で撫でられてくしゃくしゃになる髪型が好き
最近、短歌の投稿をぱったりとやめていたのですが、応募数が少ないというお話を聞き、応援するつもりで送らせていただきました。しばらくまた投稿はしないつもりなので、これが最後の採用情報になるかもしれません。
うたらば
http://www.utalover.com/
<入選>
しゃべらずに今日を終えてもおやすみはどこか遠くの瞳へ届く
題詠「間」
雪が降る花びらが降るいつの間に地面ばかりを見ていたのだろう
--------
現在、東京都の端っこに在住しておりますが、
私は生まれも育ちも千葉県市川市です。
帰るべき家はもうありませんが、
思い出がある、触れ合った人のいる故郷へ、
行こうと思えばいつでもいけるということの有難みを、
噛み締めながら作品集を手にしました。
しゃべらずに今日を終えてもおやすみはどこか遠くの瞳へ届く
題詠「間」
雪が降る花びらが降るいつの間に地面ばかりを見ていたのだろう
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現在、東京都の端っこに在住しておりますが、
私は生まれも育ちも千葉県市川市です。
帰るべき家はもうありませんが、
思い出がある、触れ合った人のいる故郷へ、
行こうと思えばいつでもいけるということの有難みを、
噛み締めながら作品集を手にしました。
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フリーエリア
プロフィール
HN:
中森つん
性別:
女性
自己紹介:
穂村弘さんに影響を受け、2009年、短歌にベクトルをあわせ出発進行。雑誌やメディアでの掲載・採用情報、結社詠草の情報置き場。尊敬する歌人は笹井宏之さん。
結社「未来」の「彗星集」所属しておりました。申し訳ございませんが、歌意の説明は控えさせていただいております。
2011年12月活動休止。2013年4月活動再開。
結社「未来」の「彗星集」所属しておりました。申し訳ございませんが、歌意の説明は控えさせていただいております。
2011年12月活動休止。2013年4月活動再開。
来訪記録
最新CM
[06/08 辻]
[08/15 xqalhjiznm]
[08/14 bqarhnolkf]
[05/16 中森つん]
[05/15 薫智]
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参加してます。
お気に召したら拍手をくださると、
大変光栄でございます。
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