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おがくずをここに捨てれば身綺麗になれるはずだと思ってました
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とりどりの国境の色 レイヤーの最下層にはただ白い骨

短歌研究9月号「うたう☆クラブ」第105回 穂村弘コーチ選

たしか、サッカー観戦をしつつ思いついた歌です。
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短歌研究新人賞にて予選通過作品に選ばれました。
タイトルは「消灯ですよ」です。
誌上に発表された2首をアップいたします。
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曇天の午後四時にする口付けはイブプロフェンの味がしていた

空席の前で掴んだ吊り革が手に張り付いている降車駅

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昨年、佳作を獲っておきながらランクを落としてしまった今年ですが、今回の「消灯ですよ」は、ストックをかき集めてまとめただけの、本当にレベルの低い作品でした。それを投稿してしまった自分が情けなさと、それでも予選通過という慈悲をいただけた感謝と、同じ枠内にいらっしゃる方々に申し訳ないという気持ちでいっぱいです。

もっと短歌1首1首のレベルの向上を心がけたいと思います。
実は私、歌を読むのが苦手です。短歌は三十一字の限られた領域に、感情や風景などを閉じ込める、とても素晴らしいものだと思っています。しかし私はその「制限」というものがどうにも得意ではなく、いつもうにうに頭を悩ませながら作っています。人様の短歌は素晴らしすぎて、私には読み解くのが難しいものがあります。短歌を語るには実力も経歴もなさすぎるとわかっております。それでも、短歌を詠むときに心がけていることがあります。

「その短歌に物語はあるか」「その短歌は詩であるか」

ただおがくずを詰めただけのぬいぐるみになっていやしないかと、いつも思うのです。なので最近は、57577のルールを破ってみたり、難解な短歌を詠んでみたりしています。よりいっそう「短歌ではない」と言われてしまう方向に進んでいるのですが、その心がけを守りながら詠む短歌は楽しいのです。そもそも短歌とはそういうものじゃないというご意見も、十分わかっております。

なので「未来詠草」として発表している連作に、もっと感想をいただけたら嬉しいと思っております。自分の短歌が誰かのフィルターにはどう映っているのか知りたいのです。「歌意を読み解いてほしい」というわけではなくて、どういう風に感じたのかを教えてほしいのです。自覚している通り「さよなら、世界」なんかは本当に難解ですので「わかりにくい」とか「気持ち悪い」とか、そんなんでいいんです。むしろ読み解いてみたいぞという方は、どうぞチャレンジなさってください。それもまた楽しみです。「この1首が好き」だけでもかまいません。このブログを読んでいるけど、自分は短歌をやっていないという方の意見も光栄です。

ですが皆様の想像性を大切にしたいため、歌意は発表しないでおきます。わがままで申し訳ございません。どうか「中森つん」がこれからもっと成長していけるように、皆様、ご協力くださいますよう、よろしくお願い申し上げます。

なお、当ブログにはアップしておりませんが、もっと読みやすいカジュアル(?)な短歌は「うたのわ」の方に投稿しておりますので、お暇なときにでも見てやってください。それでも黒いです。
NHK短歌9月号にて短歌が採用されましたので報告です。
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加藤治郎さん選 テーマ「人名」佳作

「もしもし、未来ですか?」と尋ねればロボが応える星新一の
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9月号の締め切り当時、体調不良が悪化し始め、それでもなんとか送ったのを覚えています。1首でも拾っていただけて良かったです。

この短歌に出ている「星新一」という作家をご存知でしょうか。
私と同じ20代の皆さんは、もしかしたら小学校の国語の教科書で何らかの作品を読んだことがあるかもしれません。彼はショート・ショートと呼ばれるいわゆる短編小説の第一人者であり、その独創性溢れる発想が魅力的な作家です。また、インターネットや携帯電話がまだない時代に、その存在を予見するかのごとく、自身の物語の中に登場させていました。彼の描く世界は、とてつもない情報量を持つ図書館のようです。どの作品も読み終えた後、子供のように興奮してしまいます。

まだ読んだことがないという方は、これを機会にぜひ読んでみてください。
確実に有名になってきたフリーペーパー「うたらば」のブログパーツが更新されました。今回のテーマは「海」+自由詠。応募総数84首もの作品の中から、またまた拾っていただけました。ありがとうございます。ちょっと田中ましろさんの自宅方面に土下座します。(採用数は16首)

喧噪で溺れる君のもとへ行くペットボトルに海を詰めたら

「うたらば」の投稿歌を考えていると、私の短歌から黒を抜くのは難しい…と深く思うのです。他にも何首か送らせていただきましたが、やっぱりこれが一番無難ですね。今回採用された短歌の中で一番好きなのは、

幸せだ マンタになって島中のやさしき人に見られたいほど(こゆりさん)

です。「海」という単語を出さずに、とても純粋で綺麗で可愛い短歌を詠まれています。すごい。こういう風に、誰にも真似が出来ないような短歌を模索中なのです。私は黒い方向で。

現在募集しているテーマは
次号うたらば:「夕刻」(〆切8月20日)
ブログパーツ:「残」+自由詠(〆切9月4日)

の二つです。夕陽に向かって泣きながら、ギターをかき鳴らしている波田陽区しか浮かびません。

「うたらば」
http://www.utalover.com/index.htm
『ハッピーターン』

最初からあきらめながらもう一つ噛みくだいてるハッピーターン

キスのとき薄荷ドロップ舐めていた君との味を覚えぬ為に

星粒のフリして空に浮かんでた金平糖がぽつぽつ落ちる

両の手でそっと静かに包み込むタマゴボーロのような初恋

「さよなら」を宣告された(泣けなくて)ポップコーンをぶちまけてみる

琥珀との違いわからず死んでいくべっこう飴の薄羽蜻蛉

マシュマロに一本一本縫い針を刺していく 今日浮気を知った

四度目の春が来るころ教室に取り残されたキャラメルコーン

<「未来」No.703 2010年8月号 >

今月は8首のみの掲載です。ボツにされてしまったものは、やはり精度が低いと気がつかされます。また、今回は実験として比較的明るく、大衆受けしそうな雰囲気で作ってみました。ですが、黒い短歌の方が性に合っているみたいなので、これからはもっと黒くいきたいと思います。
持ち帰り不要にされる青写真そのぬくもりに用があります

砂浜に枯れ木で描くマイホーム君のかわりに置いたヤドカリ

強がりがそれぞれあるく交差点正しい愛を振りかざしたい

感情を108色に塗り分ける画布は静かに犯されていく

滑走路みつめるだけの逃避行飛べない私達の現実

包まれたタオルケットに残る指、声、匂い、汗、君の残り火。

キスしよう(閑話休題)キスしようこれで終わりにしよう(嘘、嘘。)

真夜中にダブルデートの信号機どちらも青は点灯しない

妻子ならどちらも込みの愛ですが。父の日に見る笑顔は嫌い。

地図ならば5cmほどの距離なのに「会いたい」を言う権利がなくて

とまらない嫉妬の先にある空虚 抱き枕でも自惚れはする

人間の匂いかくして生きるすべ助手席にファブリーズを撒いて

揺らされて社の木戸がくちはてるなだれ込んだら朝が来るまで

同じ色。裏返しても人生は。だから私は後悔しない。

言わなくていい 結論は捨てていい ただ肯定のキスをちょうだい

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(上句)垂々さん (下句)中森つん

たらたら日記
http://yaplog.jp/talatala_diary/
職業・病人。中森つんです。こんにちは。

数ヶ月前、とある事件をきっかけにお知り合いとなり、以降メールでやりとりをさせていただいている、垂々さんという方がいます。主に「うたのわ」で女性的な感性あふれる短歌を詠んでいらっしゃいます。

最近、垂々さんのブログにて川柳っぽいもの(ご本人談)がたびたびアップされており、そのセンスに私の創作意欲だか好奇心だかが刺激され、7月中旬ごろに「下句を作らせてほしい」と願い出ました。お優しい垂々さんからすぐさま了承を得たものの、この夏、十二指腸潰瘍、卵巣腫瘍、熱中症と様々な病気からくる体調不良で寝込むはめになり、創作活動はカメの歩みでございました。

そんな折、やはり垂々さんの川柳に心をくすぐられた歌人さんが、勢いよく「短歌にしてみました!」と発表なされました。衝撃でした。というか、水面下で進めていたこととはいえ、他の人に先を越されてしまったのが悔しくてたまりませんでした。「今から発表しても二番煎じにしか見えない。もう止めてしまおうか」そんな風にも思いました。

……が、この中森つんという生き物、追い詰められると燃えるタイプらしいのです。8月1日の時点でアップされていた川柳84句すべてに下句をつけさせていただきました。しかもテーマは「不倫」。事前に垂々さんへ「申し訳ございませんが、上句の良さを壊す短歌にさせていただきます」と承諾を得たので、もうやりたい放題やらせていただきました。

いやぁ、すっきりしました。この通り、私は根性の捻じ曲がった人間ですので、あまり刺激するようなまねはしないでください。一応、心療内科の患者でもありますし。こう書きますと私がこの一件で怒った様に感じられますでしょうが、あくまでこれは私の負けず嫌いな性分から来た衝動ですので、この文章をお読みになった垂々さんファンの皆様、誤解なさらないようにお願いいたします。

そんな感じで、今日から垂々さんのブログでは「上句:垂々、下句:中森つん」で「垂々つん」というコラボ短歌がアップされていきます。原則、週末登場らしいです。嬉しいことに、1首1首画像付です。私のほうでは、厳選した15首をブログに、他5首をうたのわに投稿しようかと思っております。決して、84首すべてをアップするのがめんどくさいとか、そんなことではありませんよ。面白い企画なので、ぜひチェックしてみてくださいませ。感想もお待ちしております。

「たらたら日記」
http://yaplog.jp/talatala_diary/

PS:その後、垂々さんがさらに川柳をアップされており「下句、ぜひお願いします!」とアピールされていることから、この企画は当分続きそうです。
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プロフィール
HN:
中森つん
性別:
女性
自己紹介:
穂村弘さんに影響を受け、2009年、短歌にベクトルをあわせ出発進行。雑誌やメディアでの掲載・採用情報、結社詠草の情報置き場。尊敬する歌人は笹井宏之さん。
結社「未来」の「彗星集」所属しておりました。申し訳ございませんが、歌意の説明は控えさせていただいております。
2011年12月活動休止。2013年4月活動再開。
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